東証で上場廃止になったETFは2015年から82本|繰上償還の流れと、NISAで持っていた人の扱い

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野村アセットマネジメントとブラックロック・ジャパンは、ETFの繰上償還の告知でNISAの扱いを説明しています。野村の2643の告知では、NISAの口座で持っていても、償還金を受け取ったときの譲渡損益にはNISAが適用されません。この告知では、最終売買日までに市場で売った場合は、NISAが適用されます。ブラックロック・ジャパンの2851の告知も、償還で譲渡益が出る場合はNISAの適用を受けられないとしています。

JPXの上場廃止銘柄一覧には、2015年からのETFが82本載っています。2024年以降に限っても11本です。

さらに、2851「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」は、2026年7月24日に監理銘柄(確認中)に指定されました。2026年10月20日の書面決議に向けて、手続きが進んでいます。

上場廃止になったETF

82本

2015年から

告知から償還金の支払開始まで

101〜108日

直近の5本

2851の書面決議日

2026年10月20日

監理銘柄(確認中)

東証で上場廃止になったETFは、何本あるか

JPXの上場廃止銘柄一覧(2026年8月17日更新)には、2015年7月5日から2026年9月18日までに上場廃止になったETFが82本載っています。

年ごとに分けると、次のようになります。

年 上場廃止の本数 約款変更 外国ETFの契約終了 その他
2015年 5本 5本 0本 0本
2016年 1本 1本 0本 0本
2017年 1本 1本 0本 0本
2018年 14本 4本 10本 0本
2019年 21本 21本 0本 0本
2020年 2本 2本 0本 0本
2021年 9本 7本 1本 1本
2022年 3本 2本 1本 0本
2023年 15本 3本 10本 2本
2024年 6本 6本 0本 0本
2025年 3本 3本 0本 0本
2026年 2本 2本 0本 0本

最も多かったのは2019年の21本です。年ごとの本数は1本から21本まで開きがあり、2024年以降は11本です。

一覧への掲載は「上場廃止決定日の翌営業日」です。そのため、一覧には2026年9月18日に上場廃止となったETFも含まれています。

参照:日本取引所グループ「上場廃止銘柄一覧(ETF)」(2026年8月17日更新)

上場廃止の理由には、何と書かれているか

82本のうち57本は「投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。」、22本は外国ETFの預託契約などの終了が理由です。

JPXの一覧を理由ごとに数えると、内訳は次のとおりです。

  • 「投資信託約款において投資信託契約の期間の定めが設けられる変更が行われたため。」:57本
  • 「上場外国ETF信託受益証券に係る預託契約等その他の契約が終了となる場合に該当するため。」:22本
  • 「管理会社が上場廃止を申請し、当取引所が上場廃止を決定したため。」:2本
  • 「上場する全ての外国金融商品取引所等において上場廃止が決定されたため。」:1本

57本を占める「期間の定めが設けられる変更」は、JPXの上場ルールともつながっています。JPXの「内国指標連動型ETF・内国商品現物型ETFの上場の手引き」は、上場審査で約款に求める記載を挙げています。その1つが「投資信託契約の期間の定めを設けない旨」です。

一方、「投資信託契約の期間の定めが設けられる場合」の約款変更は、上場廃止基準の1つです。信託終了に向けて期間を設ける変更が、上場廃止につながる形です。

外国ETFの契約終了は、特定の日にまとまっています。2018年1月22日には、iシェアーズのETF-JDRが10本そろって上場廃止になりました。2023年7月21日も、UBS ETFの10本が同じ日でした。57本は信託期間を設ける約款変更、22本は外国ETFの契約終了です。

参照:日本取引所グループ「上場廃止銘柄一覧(ETF)」(2026年8月17日更新)、日本取引所グループ「内国指標連動型ETF・内国商品現物型ETFの上場の手引き」(第29版、2026年10月4日取得)

直近の5本は、どんな条件で繰上償還になったか

直近の5本は、設定から3年を経過した日以降に受益権口数が20営業日連続して約款の口数を下回ったことで、繰上償還になりました。

対象となった5本は、すべて野村アセットマネジメントのNEXT FUNDSです。

コード 銘柄名 設定日 条件の口数 「可能性」の告知の日の受益権口数 上場廃止日
2643 NEXT FUNDS MSCIジャパンカントリー指数(セレクト)連動型上場投信 2021年7月15日 50万口 499,204口 2026年9月18日
2246 NEXT FUNDS ブルームバーグ・フランス国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 2023年4月24日 125万口 330,000口 2026年6月29日
2863 NEXT FUNDS S&P米国株式・債券バランス保守型指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信 2022年9月14日 50万口 214,830口 2025年11月16日
2635 NEXT FUNDS S&P 500スコアリング&スクリーニング指数連動型上場投信 2021年3月29日 50万口 403,000口 2025年11月7日
2850 NEXT FUNDS SolactiveジャパンESGコア指数連動型上場投信 2022年4月7日 50万口 348,781口 2025年6月9日

たとえば2643について、野村アセットマネジメントは「受益権の口数が、信託契約を解約し信託を終了させる条件である50万口を20営業日連続で下回った」ため、繰上償還すると説明しています。

5本では、終わる条件が約款の受益権口数としてあらかじめ書かれていました。実際の口数がその条件に達したあと、信託終了と上場廃止の手続きが進んでいます。

参照:野村アセットマネジメント 2643・2246・2863・2635・2850の信託終了に関する告知、日本取引所グループ「上場廃止銘柄一覧(ETF)」(2026年8月17日更新)

最初の告知から償還金の支払開始まで、何がどの順で起きたか

直近の5本では、「可能性」の告知から上場廃止日まで61〜63日、償還金の支払開始まで101〜108日でした。

2643では、信託終了の可能性が公表されてから、次の順で手続きが進みました。

  • 2026年7月17日:信託終了にかかる約款変更の可能性を告知。同日、監理銘柄(確認中)に指定
  • 2026年8月17日:約款変更を告知。同日、整理銘柄に指定
  • 2026年9月15日:現物株式の売却と株価指数先物の全決済を実施
  • 2026年9月17日:最終売買日
  • 2026年9月18日:上場廃止日
  • 2026年9月24日:信託終了日
  • 2026年11月2日:償還金支払開始日

2643では、2026年9月15日以降に保有資産をすべて売る予定が、事前に告知されていました。売却した場合、その後の基準価額は対象指数の値動きに連動しないとも説明されています。

実際に2026年9月15日、現物株式の売却と株価指数先物の全決済が行われました。

直近5本の日程を並べると、次のとおりです。

コード 可能性の告知 最終売買日 上場廃止日 信託終了日 償還金支払開始日
2643 2026年7月17日 2026年9月17日 2026年9月18日 2026年9月24日 2026年11月2日
2246 2026年4月27日 2026年6月26日 2026年6月29日 2026年6月30日 2026年8月7日
2863 2025年9月16日 2025年11月14日 2025年11月16日 2025年11月18日 2025年12月26日
2635 2025年9月5日 2025年11月6日 2025年11月7日 2025年11月10日 2025年12月19日
2850 2025年4月8日 2025年6月6日 2025年6月9日 2025年6月10日 2025年7月18日

告知では、償還金の支払いは「信託終了日から40日以内に開始」です。実際の5本では、信託終了日から支払開始日まで38〜39日でした。上場廃止日から数えると39〜45日です。上場廃止の時点では、まだ手続きが残っています。

参照:野村アセットマネジメント 2643・2246・2863・2635・2850の信託終了、約款変更、償還価額等に関する告知

NISAや特定口座で持っていた人は、どう扱われるか

野村アセットマネジメントの2643の告知では、NISAで持っていても、償還金を受け取ったときの譲渡損益にはNISAが適用されず、確定申告の対象です。

一方、最終売買日の2026年9月17日までに市場で売った場合は、NISAの適用を受けます。ブラックロック・ジャパンの2851の告知では、償還金を受け取るときに譲渡益が出る場合、NISAの適用を受けられず、確定申告が必要です。

特定口座についても扱いが分かれます。2643の告知では、償還金の譲渡損益は、特定口座の中でほかの譲渡所得等と損益通算できません。ただし、個別に確定申告を行えば、損益通算は可能と説明されています。

償還金の受け取り方も、証券会社に指定している「配当金受領方法」によって異なります。株式数比例配分方式か配当金領収証方式なら、領収証などが郵送されます。ゆうちょ銀行か郵便局に持ち込んで受け取ります。登録配当金受領口座方式か個別銘柄指定方式なら、指定の口座へ振り込まれます。

同じ繰上償還でも、口座の種類と配当金受領方法の設定で、資料に書かれた手続きが変わります。

参照:野村アセットマネジメント 2643「信託終了にかかる約款変更のお知らせ」(2026年8月17日)、ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」の信託終了に関するお知らせ(2026年7月24日)

いま手続きが進んでいるETFはあるか

2851が2026年7月24日に監理銘柄(確認中)に指定され、2026年10月20日の書面決議で繰上償還を決める手続きに入っています。

2851「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」は、2022年6月7日に設定されました。約款の条件は、信託契約締結日から3年を経過した日以降の受益権口数です。1,500万口を下回る場合に、信託契約を終了することができます。

2026年6月末現在の純資産総額は1,479,275,036円です。受益権口数は3,754,032口でした。

書面決議対象受益者の確定基準日は2026年8月9日、書面決議日は2026年10月20日です。可決の条件は、賛成する受益者が持つ2026年8月9日現在の受益権口数です。それが同日現在の受益権口数の3分の2以上なら可決されます。賛成には「法令等の規定に基づき、議決権を行使せず賛成となった方を含みます。」とされています。

告知されている日程は、次のとおりです。整理銘柄への指定から後の日程は、書面決議で可決された場合の予定です。

  • 2026年7月24日:監理銘柄への指定
  • 2026年10月20日:書面決議日、整理銘柄への指定予定
  • 2026年11月20日:最終売買日予定
  • 2026年11月21日:上場廃止日予定
  • 2026年11月25日:信託終了日予定
  • 2026年12月30日:償還金支払い開始日予定

直近の5本は、約款の口数の条件で繰上償還に進みました。2851は、書面決議を経る点が違います。可決された場合、監理銘柄への指定から上場廃止予定日までは120日です。

JPXの上場廃止銘柄一覧は2026年8月17日更新ですが、2851はまだ掲載されていません。JPXの監理・整理銘柄一覧(2026年9月25日更新)では、監理銘柄(確認中)です。

参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」の信託終了(繰上償還)および重大な約款変更に係る書面決議基準日設定のお知らせ(2026年7月24日)、日本取引所グループ「監理・整理銘柄一覧 現在の指定状況(その他商品)」(2026年9月25日更新)

上場廃止は、どれくらい前に分かったか

資料で確認できた範囲では、約款の口数条件で進んだ直近の5本は最初の告知から上場廃止まで61〜63日、2851は可決された場合の予定で、監理銘柄への指定から上場廃止日まで120日です。

最初の告知から償還金の支払開始まで、3か月以上あいていたのは意外でした。

ここからは、この記事で並べた資料から、そのまま導ける範囲の推論です。ほかのETFの今後を確かめたものではありません。

JPXの上場廃止銘柄一覧に銘柄情報が載るのは、上場廃止決定日の翌営業日です。直近の5本は、「可能性」の告知と同じ日に監理銘柄(確認中)に指定されました。その日から上場廃止日までは61〜63日です。

2851は、可決された場合の予定で、監理銘柄への指定から上場廃止日まで120日です。並べると、上場廃止銘柄一覧に載るより前に、監理銘柄としての手続きが始まっていた例があります。

今回確認した上場廃止済みの5銘柄では、上場廃止日より前に、運用会社の告知と監理銘柄への指定が出ていました。2851でも、可決された場合の上場廃止予定日より前に、告知と監理銘柄への指定が出ています。

参照:日本取引所グループ「上場廃止銘柄一覧(ETF)」(2026年8月17日更新)、野村アセットマネジメント各告知、ブラックロック・ジャパン 2851の告知

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ETFを売るときの税金を、特定口座とNISAの損益通算から整理したものは 40代が知っておきたいETFを売るときの税金|特定口座・NISAの損益通算 です。

ETFがNISAの成長投資枠で買えるかを、2つの対象リストで確かめる手順は ETFがNISAで買えるか確認する方法|成長投資枠の対象リストは2つある にまとめています。

2851を含め、JPXの一覧でNISAの成長投資枠の印が無いETFを数えたものは 東証のETF 452本のうち、NISAの成長投資枠の印が無いのは86本|JPXの一覧で数えて、名前と注記で分けた です。

この記事で言えないこと

  • 2015年から2024年までの上場廃止の個別の事情は、この記事では直近の5銘柄と、手続き中の2851の告知しか確かめていないため、書いていません。
  • 2851の書面決議の結果と償還金額は、まだ公表されていないため、書いていません。
  • 一人ひとりの税額は、保有の状況で変わるため、書いていません。税金の扱いは運用会社の告知の説明の範囲です。

数値の基準日

上場廃止銘柄一覧(JPX)
2026年8月17日
監理・整理銘柄一覧(JPX)
2026年9月25日
運用会社の告知を取得した日
2026年10月4日

出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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