個人向け国債の金利はどう決まるか|変動10年は基準金利×0.66、固定は差し引き、下限は0.05%

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itcareer40.jp制度・税個人向け国債の金利

個人向け国債の変動10年の金利は、10年国債の利回りがそのまま使われるわけではありません。10年固定利付国債の入札の平均落札価格を基に計算した複利利回りを0.01%刻みにして基準金利とし、それに0.66を掛けて、もう一度0.01%刻みにします。この適用利率は半年毎に変わります。

固定5年は基準金利から0.05%、固定3年は0.03%を差し引きます。どちらも発行時の利率が満期まで変わりません。変動10年を含む3タイプとも、利率の下限は0.05%で、上限はありません。

個人向け国債の金利は、毎月の募集ごとに財務省のホームページで公表され、募集開始日の前営業日から確認できます。3タイプの利率の決め方と基準金利の取り方は、次のとおりです。

タイプ 利率の決め方 基準金利の取り方 利率は変わるか 下限
変動10年 基準金利×0.66(小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%刻み) 10年固定利付国債の入札の平均落札価格を基に計算される複利利回り(小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%刻み) 半年毎に変わる 0.05%
固定5年 基準金利−0.05%(0.01%刻み) 募集期間開始日の2営業日前に、市場実勢利回りを基に計算した期間5年の固定利付国債の想定利回り 満期まで変わらない 0.05%
固定3年 基準金利−0.03%(0.01%刻み) 募集期間開始日の2営業日前に、市場実勢利回りを基に計算した期間3年の固定利付国債の想定利回り 満期まで変わらない 0.05%

変動10年の適用利率(半年毎に変わる)

基準金利×0.66

固定5年の利率(満期まで変わらない)

基準金利−0.05%

固定3年の利率(満期まで変わらない)

基準金利−0.03%

3つのタイプの利率は、どんな式で決まるか

変動10年は基準金利に0.66を掛け、固定5年と固定3年はそれぞれ決められた割合を差し引いて利率を計算します。

財務省が定める利率の計算方法は、次のとおりです。

  • 変動10年:基準金利×0.66
    • 小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%刻みにします。
    • 適用利率は半年毎に変わります。
    • 金利の設定方法自体は満期まで変わりません。
  • 固定5年:基準金利−0.05%
    • 0.01%刻みで計算します。
    • 発行時の利率が満期まで変わりません。
  • 固定3年:基準金利−0.03%
    • 0.01%刻みで計算します。
    • 発行時の利率が満期まで変わりません。

財務省の「個人向け国債」知るでは、変動10年について、実勢金利が上がれば受取利子が増えることもあると説明しています。一方、固定5年と固定3年は満期まで利率が変わらず、発行した時点で運用結果が分かる仕組みです。

3タイプとも、年率0.05%の最低金利が保証されています。また、すべての銘柄について金利の上限はありません。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)

基準金利は、タイプごとに取り方が違う

変動10年の基準金利は10年固定利付国債の入札を基に計算され、固定5年と固定3年はそれぞれの期間の想定利回りを使います。

財務省が定める基準金利の取り方は、次のとおりです。

  • 変動10年
    • 利子計算期間の開始日の前月までの最後に行われた、10年固定利付国債の入札を使います。
    • 入札の平均落札価格を基に計算される複利利回り(小数点以下第3位を四捨五入し、0.01%刻み)が基準金利です。
    • 初回利子については、募集期間開始日までの最後の入札を使います。
  • 固定5年
    • 募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)の数値を使います。
    • 市場実勢利回りを基に計算した、期間5年の固定利付国債の想定利回りが基準金利です。
  • 固定3年
    • 募集期間開始日の2営業日前(10年固定利付国債入札日)の数値を使います。
    • 市場実勢利回りを基に計算した、期間3年の固定利付国債の想定利回りが基準金利です。

なお、財務省の「個人向け国債」知るの表の注記では、変動10年の基準金利を『平均落札利回り』と記載しています。金利についてのよくある質問では、平均落札価格を基に計算される複利利回りと説明されています。

固定5年と固定3年は、差し引く数字だけでなく、基準金利の取り方も異なります。そのため、同じ月に発行される2タイプの利率の差は、0.05%と0.03%の差だけでは決まりません。

個人向け国債は毎月(年12回)発行されます。募集ごとの金利は、募集開始日の前営業日から財務省のホームページに掲載され、購入した取扱機関でも確認できます。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債」知る(2026年10月9日取得)

仮の基準金利で計算すると、利率はいくらになるか

仮の基準金利を式に当てはめると、掛け算と引き算による利率の違いや、最低金利が適用される場合を確認できます。

以下は特定の募集回の利率ではなく、決め方を示すための仮の計算です。実際の固定5年と固定3年は基準金利の取り方が異なり、値が同じとは限らないため、同じ数値を使った結果を実際の利率の比較には使えません。

  • 仮の基準金利を1.00%とした場合
    • 変動10年:1.00%×0.66=0.66%
    • 固定5年:1.00%−0.05%=0.95%
    • 固定3年:1.00%−0.03%=0.97%
  • 変動10年の仮の基準金利を1.23%とした場合
    • 1.23%×0.66=0.8118%で、小数点以下第3位を四捨五入すると、適用利率は0.81%です。
  • 仮の基準金利を0.05%とした場合
    • 変動10年:0.05%×0.66=0.033% → 0.03%
    • 固定5年:0.05%−0.05%=0.00%
    • 固定3年:0.05%−0.03%=0.02%

計算した値はいずれも下限を下回るため、3タイプとも適用される利率は0.05%です。

財務省は、基準金利が低いと、計算した利率がゼロやマイナスになるなど、著しく低くなるケースがあると説明しています。そのため、3タイプすべてに年率0.05%の最低金利が設けられています。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)

仮の計算から言えること

同じ仮の基準金利を3つの式に当てた場合、適用利率に差が残るのは、下限を当てる前の計算結果の少なくとも1つが0.05%を上回るときです。

ここからは、この記事で並べた資料の記載から、そのまま導ける範囲の推論です。金利の見通しではありません。

変動10年は基準金利に0.66を掛け、固定5年と固定3年はそれぞれ0.05%と0.03%を差し引きます。仮の基準金利が1.00%の場合、計算結果は0.66%、0.95%、0.97%と異なります。

一方、仮の基準金利が0.05%の場合、式による計算結果は0.03%、0.00%、0.02%ですが、適用される利率はすべて0.05%です。つまり、式の計算結果が異なっていても、最低金利が適用される場合は同じ利率になります。

これは、各タイプの基準金利の違いを含めた、実際の募集回の利率の比較ではありません。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)

0.66を掛ける理由と、平成23年の見直し

変動10年に0.66を掛ける方式は、10年固定利付国債の金利収入とのバランスや、中途換金などの商品性を踏まえて決められたものです。

財務省は、各タイプの調整方法について、次のように説明しています。

  • 変動10年:10年固定利付国債を10年間保有した場合に得られる金利収入とのバランスや、中途換金などの商品性を総合的に勘案した結果、0.66を掛ける方式としました。
  • 固定5年:中途換金などの商品性を総合的に勘案した結果、基準金利から0.05%を差し引く方式としました。
  • 固定3年:中途換金などの商品性を総合的に勘案した結果、基準金利から0.03%を差し引く方式としました。

変動10年は、以前から0.66を掛けていたわけではありません。平成23年6月までに発行された銘柄は『基準金利−0.80%』で計算されていましたが、低金利時に適用利率が低くなりすぎないよう、平成23年7月発行分から計算方式が見直されました。

仮に基準金利が1.00%なら、旧方式は1.00%−0.80%=0.20%、現在の方式は1.00%×0.66=0.66%です。ただし、過去に引き算方式で発行された銘柄の設定方法は変更されていません。

財務省によると、今後の金利情勢の変化などによって設定方法を見直すことはあり得ますが、現在のところ具体的な予定はありません。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)、財務省「個人向け国債の商品性についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)

利子はいつ、いくら支払われるか

個人向け国債の利子は原則として半年ごとに支払われ、第2回目以後は額面金額と適用利率を使って計算します。

財務省が定める利払日と計算方法は、次のとおりです。

  • 利払日
    • 原則として、毎年の発行月と、その半年後の15日です。
    • 第1回から第12回の変動10年は、10日となります。
    • 利払日が銀行休業日の場合は、翌営業日に支払われます。
  • 第2回目以後の利子
    • 『額面金額×適用利率(年率、%)/100×1/2』で計算します。
  • 初回利子
    • 発行日から初回利払日までの期間に対応する金額が支払われます。

仮に額面100万円、適用利率が年率0.66%の場合、第2回目以後の利子は1,000,000円×0.66/100×1/2=3,300円(税引前)です。

ただし、利子を受け取る際には20.315%の税金が差し引かれます。したがって、実際に支払われる金額は税引前の計算結果より少なくなります。

なお、遺族年金を受けることができる妻である方や、身体障害者手帳の交付を受けている方などは、マル優・特別マル優の適用を受けることで非課税にできます。

変動10年の金利は、10年国債の利回りがそのまま付くものだと思っていました。0.66を掛ける理由が、10年国債を10年間持った場合とのバランスと、途中で換金できる商品性にあると知って、数字の意味が分かりました。

参照:財務省「個人向け国債の金利についてのよくある質問」(2026年10月9日取得)

この記事で言えないこと

  • 現在募集中の回の適用利率と基準金利の値は書いていません。毎月の募集ごとに変わるため、決め方だけを並べました。
  • 固定5年と固定3年のどちらの利率が高いかは比べていません。2つは基準金利の取り方が違い、同じ基準金利を当てた計算では比べられないためです。
  • 初回の利子の額は計算していません。初回は発行日から初回利払日までの期間に対応する金額で、その計算をこの記事の範囲に入れなかったためです。

数値の基準日

財務省の個人向け国債のページと Q&A(取得日)
2026年10月9日取得

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出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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