2516と1563の違い|東証グロース市場の2つの指数、銘柄の選び方と計算の方式・資産の内訳を資料で比べる

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itcareer40.jp比べて選ぶ2516・1563

2516と1563は、どちらも東京証券取引所のグロース市場の株のETFですが、もとにする指数の銘柄の選び方と、比率の計算の方式が違います。

東京証券取引所のグロース市場の株にETF(証券取引所に上場する投資信託)で投資しようとすると、2516と1563が並びます。運用会社はどちらもシンプレクス・アセット・マネジメントで、信託報酬(運用と管理の対価として支払われる費用)も年率0.55%で同じです。

違うのは、もとにする指数(特定の市場の動きを表す指標)の作りです。2026年9月30日の指数の銘柄数は2516が274、1563が20で、いちばん大きい比率は4.34%と16.68%でした。

2本の違いは、次の表のとおりです。

項目 2516 1563
対象の指数 東証グロース市場250指数 東証グロース市場Core指数
指数の銘柄数(2026年9月30日) 274 20
銘柄の選び方 原則、上場時価総額の大きい順に250銘柄。新規上場は原則、翌月最終営業日に追加 上場時価総額と売買代金などの基準で、20銘柄になるよう選ぶ
計算の方式 時価総額加重方式(浮動株ベース) 株価平均方式
1銘柄の比率の上限 20%(年1回の調整のとき) 20%(年1回の調整のとき)
いちばん大きい比率(2026年9月30日) 4.34% 16.68%
上位10銘柄の合計(2026年9月30日) 31.93% 73.79%
ETFの資産の内訳(2026年9月30日) 国内株式71.00%など3つで100%。別に株価指数先物28.94% 国内株式99.69%
信託報酬(税込・年率) 0.55% 0.55%
売買単位 10口 1口
決算日 毎年7月8日 毎年7月8日
純資産総額(2026年9月30日) 87.64億円 20.50億円
上場日 2018年2月1日 2011年11月29日

指数の値は指数のファクトシート、ETFの値は運用会社のマンスリーレポートの値です。

2516の指数の銘柄数

274

2026年9月30日

1563の指数の銘柄数

20

2026年9月30日

2516の指数のいちばん大きい比率

4.34%

2026年9月30日

1563の指数のいちばん大きい比率

16.68%

2026年9月30日

指数の銘柄の選び方:250銘柄が基本の指数と、20銘柄の指数

2516の対象は東証グロース市場250指数、1563の対象は東証グロース市場Core指数です。どちらも、東証グロース市場指数の構成銘柄から選びます。

どちらの指数も、選ぶ基準の日に整理銘柄(上場廃止が決まった銘柄が、所定の期間置かれる区分)や特別注意銘柄に指定されている銘柄は、対象から外します。特別注意銘柄は、内部管理体制などの改善が必要と東京証券取引所が認めた会社の株です。

上場する市場を変えると公表された銘柄も外します。入れ替えの結果の発表までに当てはまると分かった銘柄も、原則として同じ扱いです。

2516の指数は、原則として、8月最終営業日の上場時価総額の大きい順に250銘柄を選びます。時価総額は、株式をその時点の株価で評価した金額です。銘柄の入れ替えは年1回、10月最終営業日です。

外したあとの対象の銘柄の数が300を下回るときは、2516の指数は、その数から50を引いた数を選びます。

グロース市場に新しく上場した銘柄は、原則として上場した翌月最終営業日に加えます。ただし、算出要領は「テクニカル上場を除く」としています。テクニカル上場は、合併や株式交換などで上場会社と一体になる非上場会社の株を、速やかに上場させる制度です。

年1回の入れ替えのほかにも銘柄の追加や除外があるため、銘柄数は250から上下し、2026年9月30日は274銘柄でした。

1563の指数も、選ぶ基準の日は8月最終営業日で、入れ替えは年1回、10月最終営業日です。上場時価総額が上位18位までの構成銘柄は、グロース市場以外に上場する銘柄を除いて、続けて採用します。

そのうえで、時価総額の大きい順に、次の2つを満たす銘柄を足し、20銘柄になるようにします。1つは、浮動株(安定した株主の株ではなく、市場で流通する株)の割合を示す浮動株比率が0.2以上であることです。

もう1つは、直近一年間の売買代金(算出要領では「立会取引における売買代金」)の大きい順に対象の銘柄を並べたとき、銘柄の数で上位90%以内に入ることです。立会取引は、取引所の午前と午後の立会時間に行う売買です。

入れ替えの発表のあとに除外される銘柄があると、20銘柄を下回ることもあります。

2026年10月30日の定期入替では、1563の指数に3銘柄が加わり、3銘柄が外れました。この入れ替えは、指数のファクトシートの2026年9月30日より後のことです。

下の図1は、どちらの指数も同じ対象から選び、異なる基準で銘柄を決める流れを示します。

2つの指数の銘柄の選び方 どちらも東証グロース市場指数の構成銘柄から選び、整理銘柄などと、上場する市場を変える銘柄は外す。2516の指数(東証グロース市場250指数)は、8月最終営業日の上場時価総額の大きい順に原則250銘柄を選び、新規上場の銘柄を原則として翌月最終営業日に加える。2026年9月30日は274銘柄。1563の指数(東証グロース市場Core指数)は、上場時価総額の上位18位までの構成銘柄を、他の市場の銘柄を除いて残し、時価総額の大きい順に、浮動株比率0.2以上・直近一年間の立会取引の売買代金で銘柄数の上位90%以内の銘柄を足して20銘柄になるようにする。銘柄の入れ替えは、どちらも年1回、10月最終営業日。 2つの指数の銘柄の選び方 どちらも、東証グロース市場指数の構成銘柄から選ぶ 整理銘柄などと、上場する市場を変える銘柄は外す 2516の指数 東証グロース市場250指数 1563の指数 東証グロース市場Core指数 8月最終営業日の上場時価総額の大きい順に原則250銘柄 上場時価総額の上位18位までの構成銘柄は残す(他の市場の銘柄は除く) 新規上場の銘柄は原則翌月最終営業日に加える 時価総額の大きい順に足す浮動株比率0.2以上直近一年間の立会取引の売買代金で銘柄数の上位90% 274銘柄(2026年9月30日) 20銘柄(2026年9月30日) 銘柄の入れ替えは、どちらも年1回、10月最終営業日です。細かい条件は本文に書いています。
図1 2つの指数の銘柄の選び方(JPX総研の算出要領、JPXの指数のファクトシートから)。

2516の指数は原則として時価総額の大きい順に250銘柄を選んで新規上場の銘柄も加え、1563の指数は時価総額と売買代金などの基準で20銘柄になるよう選びます。

参照:JPXの銘柄詳細資料・指数のファクトシート・用語集・特別注意銘柄の説明・売買立会時の説明、JPX総研の東証グロース市場250指数の算出要領・東証グロース市場Core指数の算出要領・定期選定の結果

計算の方式:時価総額加重方式と株価平均方式

2516の指数は時価総額加重方式(銘柄ごとの浮動株の時価総額をもとに計算する方式)です。1563の指数は株価平均方式(銘柄ごとの株価に係数を掛けた値をもとに計算する方式)です。

係数は、計算で株価などに掛ける数で、比率の調整に使うものです。2516の指数でも、上限の調整に係数を使います。

2516の指数は、ファクトシートでは「浮動株ベース」とされています。8月最終営業日に比率が20%を超える銘柄には、10月最終営業日から比率を調整する係数を設定します。

1563の指数は、9月最終営業日の比率で、1銘柄の上限を20%、新規組入れの銘柄を5%とします。その比率に合わせる係数の設定は、10月最終営業日です。

上限の調整を年1回行う点は、2本で同じです。そのあと株価の動きで上限を超えても、翌年の10月最終営業日まで係数を変えません。

2026年9月30日のいちばん大きい比率は、どちらもジーエヌアイグループでした。2516の指数が4.34%、1563の指数が16.68%です。

下の図2は、計算の方式と上限を見る日の違い、係数を設定する共通の日を示します。

2つの指数の計算の方式と、比率の上限 2516の指数は時価総額加重方式で、浮動株の時価総額をもとに計算し、上限20%を8月最終営業日に見る。1563の指数は株価平均方式で、株価に係数を掛けた値をもとに計算し、上限20%と新規組入れ5%を9月最終営業日に見る。どちらも10月最終営業日に比率を調整する係数を設定し、上限を超えても翌年の10月最終営業日まで変えない。 2つの指数の計算の方式と、比率の上限 2516の指数 東証グロース市場250指数 1563の指数 東証グロース市場Core指数 時価総額加重方式浮動株の時価総額をもとに計算する 株価平均方式株価に係数を掛けた値をもとに計算する 上限20%を見る日8月最終営業日 上限20%・新規組入れ5%を見る日:9月最終営業日 どちらも:10月最終営業日に比率を調整する係数を設定し、上限を超えても翌年の10月最終営業日まで変えない 違うのは計算の方式・上限を見る日・新規組入れ5%で、上限の調整を年1回行う点は2本で同じです。
図2 2つの指数の計算の方式と、比率の上限(JPX総研の算出要領から)。

2516の指数は時価総額加重方式、1563の指数は株価平均方式で計算し、1銘柄20%の上限の調整は、どちらも年1回、10月最終営業日に行います。

参照:JPX総研の東証グロース市場250指数の算出要領・東証グロース市場Core指数の算出要領・指数計算に係る算出要領、JPXの指数のファクトシート、シンプレクス・アセット・マネジメントの1563のマンスリーレポート

ETFの資産の内訳:2516は株価指数先物も使う

2516の交付目論見書によると、2516は株価指数先物を買う約束(資料では「株価指数先物取引の買い建て」)と、指数の株への投資の、どちらかまたは両方を行います。

株価指数先物取引は、株価指数を対象にした先物取引(将来の決まった日に、決めた値段で取引する約束の契約)です。

ここでの資産の内訳は、2026年9月30日のマンスリーレポートの値です。組入比率は、純資産総額(費用などを差し引いた、ETF全体の大きさ)に対するものです。

2516の資産の内訳は、国内株式71.00%、国内債券15.93%、「コール・ローン等、その他」13.07%でした。

この3つで、合わせて100%です。これとは別に、株価指数先物が28.94%と並んでいます。いずれも純資産総額に対する比率です。

2516の上位10銘柄の組入比率では、1位はジーエヌアイグループの3.08%でした。3.08%は2516の純資産総額に対する割合で、指数のファクトシートの4.34%は指数の中での割合です。

1563は国内株式99.69%で、組入比率の1位はジーエヌアイグループの16.67%でした。

1563の交付目論見書は、同じ銘柄の株への実質的な投資割合を、原則として「信託財産の35%を超えない」としています。信託財産は、投資家から集めた資金を、信託銀行に信託してまとめた財産です。指数の1銘柄20%の上限とは別の、ETFの側の決まりです。

下の図3は、2516の資産の内訳と別に並ぶ株価指数先物、1563の国内株式の比率を示します。

ETFの資産の内訳 2516は国内株式71.00%、国内債券15.93%、コール・ローン等、その他13.07%で、3つで100%。これとは別に、株価指数先物28.94%が並ぶ。1563は国内株式99.69%。比率は、どれも純資産総額に対するもの。 ETFの資産の内訳(2026年9月30日) 2516 国内株式71.00% 国内債券15.93% コール・ローン等、その他13.07% 3つで100% 別に、株価指数先物28.94% 1563 国内株式99.69% 比率は、どれも純資産総額に対するものです。点線の枠は、3つとは別に並ぶ株価指数先物です。
図3 ETFの資産の内訳(シンプレクス・アセット・マネジメントのマンスリーレポートから。2026年9月30日)。

2026年9月30日には、2516は株などの資産に加えて株価指数先物を持ち、1563は資産のほぼすべてを国内株式で持っていました。

参照:シンプレクス・アセット・マネジメントの2516の交付目論見書・1563の交付目論見書・2516のマンスリーレポート・1563のマンスリーレポート、資産運用業協会の用語集

費用・売買単位・決算日と、上場日・名前の変更

決算日(計算期間の最後の日で、損益などが確定する日)は、どちらも原則として毎年7月8日で、年1回です。信託報酬は税込で2本とも年率0.55%です。

売買単位は、2516が10口、1563が1口です。2本ともNISAの成長投資枠の対象です。

2022年から2026年までの7月8日の決算で、2本とも分配金(運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金)の支払いはありませんでした。

2026年9月30日の純資産総額は、2516が87.64億円、1563が20.50億円でした。

上場日は、2516が2018年2月1日、1563が2011年11月29日です。

2516は2023年11月6日に、東証マザーズETFから東証グロース250 ETFへ名前を変えました。対象の指数も、東証マザーズ指数から東証グロース市場250指数に変わっています。

1563の名前の変更は2022年10月7日で、マザーズ・コア上場投信から東証グロース・コアETFになりました。対象の指数も、東証マザーズCore指数から東証グロース市場Core指数に変わりました。

下の図4は、2516と1563の上場日と、ETFの名前が変わった日を示します。

上場日と名前の変更 1563は2011年11月29日、2516は2018年2月1日に上場。1563は2022年10月7日にマザーズ・コア上場投信から、2516は2023年11月6日に東証マザーズETFから名前を変更し、あわせて対象の指数の名前も変わった。 上場日と名前の変更 2011年11月29日 1563が上場 2018年2月1日 2516が上場 2022年10月7日 1563が名前を変更 マザーズ・コア上場投信から 2023年11月6日 2516が名前を変更 東証マザーズETFから 名前の変更にあわせて、対象の指数の名前も変わりました。
図4 上場日と名前の変更(シンプレクス・アセット・マネジメントのマンスリーレポート、JPXのETF全銘柄一覧から)。

信託報酬と決算日は2本で同じで、売買単位は2516が10口、1563が1口です。

運用会社も信託報酬も決算日も同じ2本なのに、指数の作りで比率の並び方がここまで違うのは、資料を並べて初めて見えました。

参照:JPXの銘柄詳細資料・ETF全銘柄一覧、シンプレクス・アセット・マネジメントの2516の交付目論見書・1563の交付目論見書・2516のマンスリーレポート・1563のマンスリーレポート、資産運用業協会の用語集

2026年9月30日の、上位10銘柄の比率の合計

ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲をまとめたもので、2本の優劣や値動きの見通しを示すものではありません。

もとにした事実は、次の3つです。

  • 2026年9月30日の銘柄数は、2516の指数が274、1563の指数が20でした。
  • 同じ日の上位10銘柄の比率の合計は、2516の指数が31.93%、1563の指数が73.79%でした。
  • 同じ日のいちばん大きい比率は、どちらの指数もジーエヌアイグループで、4.34%と16.68%でした。

下の図5は、2つの指数の銘柄数と、上位10銘柄の比率の合計を並べたものです。

上位10銘柄の比率の合計 2516の指数は274銘柄のうちの上位10銘柄で比率の合計は31.93%、1563の指数は20銘柄のうちの上位10銘柄で73.79%(2026年9月30日)。 上位10銘柄の比率の合計(推論) 2516の指数:274銘柄のうちの10銘柄 31.93% 1563の指数:20銘柄のうちの10銘柄 73.79% 2026年9月30日の、指数のファクトシートの値です。薄い帯の全体が、指数全体の100%です。
図5 上位10銘柄の比率の合計(推論。JPXの指数のファクトシートから。2026年9月30日)。

1563の指数では、上位10銘柄は20銘柄の半分にあたり、比率の合計は73.79%でした。2516の指数では、上位10銘柄は274銘柄のうちの10銘柄で、合計は31.93%でした。同じジーエヌアイグループでも、比率は16.68%と4.34%に分かれました。

資料から言えるのは、2026年9月30日には20銘柄の1563の指数のほうが上位10銘柄の比率の合計が大きかったところまでで、これからの比率の動きは言えません。

参照:JPXの指数のファクトシート

この記事で言えないこと

  • 分配の有無は書いていますが、分配金の額と値動きは比べていません。記事の範囲を、指数の作り・ETFの資産の内訳・費用と売買単位に絞ったためです。
  • 1563の指数で、各銘柄の比率をどう割り振るかの細かい手順は書いていません。この記事では、1銘柄の上限と新規組入れの比率までを扱ったためです。
  • 2516が2026年9月30日に国内債券を持っていた理由は書いていません。交付目論見書には株価指数先物取引の買い建てを行う際に日本国債に投資することがあるとありますが、その日の保有の理由までは、今回確かめた記載からは特定できないためです。

数値の基準日

JPXの2516・1563の銘柄詳細資料
2026年2月27日
2つの指数のファクトシート、2516・1563のマンスリーレポート
2026年9月30日
JPX総研の東証グロース市場Core指数の定期選定の結果(実施日)
2026年10月30日
JPXのETF全銘柄一覧
2026年10月30日
算出要領・交付目論見書・用語集を取得した日(この記事を書いた日)
2026年11月4日

次に読む

2516を、TOPIXへの連動を目指す1306と比べた記事は1306と2516の違いです。JPXの一覧でETFの名前に付く印の意味は、ETFの名前と印の読み方で読めます。

出典

Sho
Sho

業務系SEとして、長年システムを作ってきました。

ETFを買う前に、目論見書と月次レポートを毎回読みます。元の仕様を見ないと気が済まないからです。

このサイトでは、運用会社やJPXの資料で数字を確かめて、ETFの違いを書いています。特定の銘柄の売買は勧めていません。

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