ETFの信託報酬は、いつ、どうやって引かれているのか|目論見書の「日々計上」と支払いの時期を読む

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1306 の目論見書は、信託報酬(運用管理費用)を「投資者が信託財産で間接的に負担する費用」に分けます。取得時手数料などの「投資者が直接的に負担する費用」とは別の区分です。

1306 と 2558 の目論見書によると、信託報酬は日々計上され、ファンドの基準価額に反映されます。年に一度、まとめて計上するという書き方ではありません。

ファンドから支払われる時期は、計上とは別に定められています。1306・2558・1655の3本で、その書き方も違います。

信託報酬の計上

日々計上

1306・2558・1655

1306 のファンドからの支払い

6ヵ月終了日と毎計算期末

または信託終了のとき

2558 の見積もりの式

保有日数/365

簡便法

信託報酬は、誰が、どこから払っているのか

1306 の目論見書では、信託報酬は「投資者が信託財産で間接的に負担する費用」で、ファンドから支払われます。

2558 の目論見書も、信託報酬を同じ区分に入れます。取得時手数料などは、1306 では「投資者が直接的に負担する費用」という別の区分です。信託報酬とは、目論見書上の扱いが異なります。

東証で売買するときの手数料は、1655 の目論見書では、売買の委託を受けた第一種金融商品取引業者が独自に定める率で決まります。取引方法は株式と同様です。売買のときの手数料と、信託財産から支払われる信託報酬は、別の費用です。

参照:野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月1日)
参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)
参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

信託報酬は、いつ計上されるのか

1306・2558・1655の3本の目論見書は、どれも信託報酬を日々計上します。

1306と2558は、基準価額に反映されることも書いています。1306の信託報酬率は、純資産総額の残高に応じて段階的に低くなる決まりです。この記事では、その料率自体は扱いません。

この3本では、信託報酬は、ある時点でまとめて計上するものではなく、日々の計上として扱われます。

参照:野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月1日)
参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)
参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

信託報酬は、いつファンドから支払われるのか

ファンドから支払われる時期は、1306 が毎計算期間の最初の6ヵ月終了日と毎計算期末または信託終了のとき、2558 が毎決算時または償還時、1655 が毎計算期末または信託終了のときです。

ETF(コード) 計上 ファンドから支払われる時期
NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306) 日々計上 毎計算期間の最初の6ヵ月終了日および毎計算期末または信託終了のとき
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558) 日々計上 毎決算時または償還時
iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655) 日々計上 毎計算期末または信託終了のとき

3本とも計上は日々ですが、ファンドから支払われる時期の記載は同じではありません。目論見書の中で、計上する日と、ファンドから支払う時期は別の決まりです。

参照:野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月1日)
参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)
参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

持っている間の信託報酬は、どう見積もるのか

2558 の目論見書は、1口あたりの信託報酬を「保有期間中の平均基準価額×信託報酬率×(保有日数/365)」の簡便法で示し、値は概算値になります。

1655 の目論見書の式は「運用期間中の基準価額×信託報酬率」で、保有日数は入っていません。

仮に、保有期間中の平均基準価額が1口10,000円、信託報酬率が年0.1%で、365日保有したとします。2558の目論見書の簡便法に当てはめると、計算は 10,000円×0.1%×365/365=10円 です。同じ仮定で保有日数を73日とすると、10,000円×0.1%×73/365=2円 になります。

この数字は特定の ETF の料率ではなく、式の形を見るための仮の数値です。2558 の目論見書にあるとおり、この計算は簡便法で、出てくる値は概算です。

2558 の式には保有日数が入ります。持っている日数に応じて、信託報酬を見積もる形です。

参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)
参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

1655の信託報酬は、なぜ投資先のETFの分まで考えるのか

1655 は実質的な株式への投資にブラックロック・グループの ETF を活用し、実質的な運用管理費用を、当ファンドの信託報酬(A)と投資する ETF の報酬等(B)の合計で示します。

実質的な運用管理費用は、(A)に(B)を足した合計です。

(B)については、投資銘柄や組入比率が固定されていないため、事前に料率や上限額を表示できないとされます。

1655 では、当ファンドの信託報酬(A)だけを見ても、実質的な運用管理費用の全部にはなりません。

参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

信託報酬のほかに、ファンドから払われる費用は何か

1306 と 2558 の目論見書によると、信託報酬のほかに、監査の費用、上場に係る費用、指数の商標の使用料、売買委託手数料などもファンドが負担します。

2558では、監査費用、受益権の上場に係る費用、対象指数についての商標の使用料も、信託報酬と同じく日々計上されます。これらは基準価額に反映され、毎決算時または償還時にファンドから支払われます。

1306では、上場に係る費用や商標使用料などに相当する金額を投資者の負担とし、ファンドから支払うことができます。売買委託手数料や監査の費用も、1306 ではファンドから支払われます。

1306 と 2558 では、ファンドが負担する費用は、信託報酬だけではありません。

参照:野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月1日)
参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)

3本を並べると、信託報酬の計上と支払いはどう読めるのか

3本とも、信託報酬を計上する時期(日々)と、ファンドから支払う時期は、別のものとして書かれています。

1655のように、投資先のETFの報酬まで含めて考える作りがあるのは、並べてみて気づいた点です。

ここからは、この記事で読んだ目論見書から、そのまま導ける範囲の推論です。個別の ETF の信託報酬の実額を確かめたものではありません。

1306と2558では、信託報酬は日々計上され、ファンドの基準価額に反映されます。ファンドから支払われるのは、1306 が毎計算期間の最初の6ヵ月終了日と毎計算期末または信託終了のとき、2558 が毎決算時または償還時です。

1655でも信託報酬は日々計上され、毎計算期末または信託終了のときにファンドから支払われます。

この3つを並べると、3本とも計上は日々で、ファンドから支払う時期はそれとは別に定められています。1306 と 2558 では、その日々の計上が基準価額に反映されます。

参照:野村アセットマネジメント「NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信(1306)」交付目論見書(使用開始日 2026年10月1日)
参照:三菱UFJアセットマネジメント「MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)」交付目論見書(使用開始日 2026年3月7日)
参照:ブラックロック・ジャパン「iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF(1655)」交付目論見書(2026年5月9日)

この記事で言えないこと

  • 各ETFで信託報酬が毎日いくら計上されたかの実額は、交付目論見書に書かれていないため、書いていません。
  • 1655が投資するETFの報酬等の料率は、目論見書が事前に表示できないとしているため、書いていません。
  • 証券会社に払う売買の手数料の額は、証券会社が定めるもので、この記事で使った資料に無いため、書いていません。

数値の基準日

1306 交付目論見書(使用開始日)
2026年10月1日
2558 交付目論見書(使用開始日)
2026年3月7日
1655 交付目論見書
2026年5月9日

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Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

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