1489の交付目論見書をAIに読ませたら、費用・分配方針・元本保証を正しく抜き出せるか

itcareer40.jpAIで調べる1489の交付目論見書

1489の交付目論見書(12ページのPDF)をAIに渡し、費用・分配方針・元本保証の3つの記載を、ページ番号つきで原文のまま引用させました。AIが引用として示した39行(空行を除く)は、改行と空白を除けば1文字の違いもなく、指定したページの原文と一致しています。 一方で、信託報酬の配分の表とその注記、信託報酬の計上と支払いについての文、分配金についての注記が、引用から抜けていました。

この記事は、AIに頼んだ文面、AIが返した答えの全文、原文と照合した結果をそのまま並べます。使ったのは1489(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信)の、使用開始日2026年6月25日の交付目論見書です。

交付目論見書のどこに、費用・分配方針・元本保証が書かれていますか

1489の交付目論見書は12ページで、表紙に「金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第13条の規定に基づく目論見書」と書かれています。より詳しい請求目論見書(1489は130ページ)は、表紙によると野村アセットマネジメントのホームページに掲載されています。

3つの記載は、PDFの次のページにありました。PDFの何ページ目かと、紙面の下に印刷されたページ番号は、2ページずれています。

知りたいことPDFのページ紙面のページ番号見出し
分配方針4ページ目2分配の方針
元本保証の有無5ページ目3投資リスク(基準価額の変動要因)
費用11ページ目9ファンドの費用

目論見書には「元本保証はありません」という言い回しは出てきません。 元本について書かれているのは、5ページ目の「投資者の皆様の投資元金は保証されているものではなく」という文です。「元本保証」で検索しても、この文には当たりません。

参照:野村アセットマネジメント 1489 交付目論見書(使用開始日2026年6月25日)・請求目論見書

原文と一致したAIの引用

39行

指定したページの原文

交付目論見書

12ページ

使用開始日2026年6月25日

紙面のページ番号とのずれ

2ページ

PDFの何ページ目か

AIにはどう頼めばよいですか

頼み方で決めたことは4つです。根拠をPDFだけに限ること、原文を一字一句変えずに引用させること、PDFの何ページ目かを書かせること、見つからない項目を推測で埋めさせないことです。最後に、AIがPDFをどう読んだかも書かせました。読み方によって、表や注記の拾い方が変わるからです。

実際に使った文面は次のとおりです。ほかの交付目論見書で試すときは、ファイル名と銘柄名を差し替えます(試したのは1489の1本だけです)。

このフォルダにある 1489_koufu_mokuromisho.pdf(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信の交付目論見書)だけを根拠に答えてください。
あなたの記憶している知識やWeb検索は使わないでください。

次の3つについて、PDFの記載をそのまま引用し、それぞれ「PDFの何ページ目か」を添えてください。
1) 投資者が負担する費用(運用管理費用=信託報酬の率と、その他の費用)
2) 収益分配の方針(分配の回数・時期、分配を行わない場合があるか)
3) 元本が保証されているかどうかについての記載

引用は原文を一字一句変えずに書いてください(要約する場合は、引用とは別に「要約:」と分けてください)。
見つからない項目は、推測で埋めずに「記載を見つけられなかった」と書いてください。
最後に、あなたがPDFをどうやって読んだか(使った方法)を1行で書いてください。

ChatGPTの画面で使う場合は、1行目を「添付したPDF」に変えて、PDFを添付してから送ります。

1489で試した結果はどうでしたか

試したのは2026年9月24日18時02分です。使ったのは、OpenAIのAIをコマンドから動かす「Codex CLI」(バージョン0.153.4、モデル名 gpt-5.6-sol)で、ChatGPTの画面ではありません。PDFのほかには、送った文面と日時を書いたファイルだけを置いたフォルダで、1回だけ聞きました。Web検索は使わないよう文面で指示しており、実行の記録にもWeb検索は現れません。

AIは3つとも「記載を見つけられなかった」とは答えず、ページ番号をつけて引用を返しました。読み方については「PDFをページ単位でpdftotext -layoutにより抽出し、pdftohtml -xmlの座標付き文字データで表の列関係、改行およびページ番号を照合しました」と書いています。実行の記録を見ると、PDFを文字に直す道具(pdftotext)で全ページを抜き出し、費用のページ(11ページ目)は文字の位置まで取り出す道具(pdftohtml)でも読んでいました。

照合の結果は次のとおりです。行数は、AIの答えのうち引用として示した部分の、空行を除いた行の数です。

項目AIが示したページ引用した行原文と一致抜けていたもの
費用PDF11ページ目(紙面9)30行30行すべて信託報酬の配分の表とその注記、信託報酬の計上と支払いについての文
分配方針PDF4ページ目(紙面2)4行4行すべて同じページの注記1行
元本保証PDF5ページ目(紙面3)5行5行すべてなし

ページ番号は3つとも合っていました。AIは紙面のページ番号も添えており、3つとも紙面の番号と一致しています。

AIが返した答え(全文)

AIの答えを全文載せます。1段落目の末尾にあった、パソコンの中のファイルの場所を示す記号と、引用を囲む記号(バッククォート3つ)だけを外しました。ほかは出力のままです。

根拠は指定PDFのみです。ページ番号は「表紙を1ページ目とするPDF上の通し番号」で示し、紙面下部のページ番号も併記します。

### 1) 投資者が負担する費用

PDF 11ページ目(紙面表記9ページ)

引用(直接負担する費用):

取得時手数料     販売会社が独自に定める額
           (詳しくは販売会社にお問い合わせください。)
           取得時手数料は、ファンドの取得に関する事務手続き等の対価として、取得時に頂戴するものです。

信託財産留保額 ありません

交換時手数料     販売会社が独自に定める額
           (詳しくは販売会社にお問い合わせください。)
           交換時手数料は、ファンドの交換に関する事務手続き等の対価として、交換時に頂戴するものです。

引用(運用管理費用=信託報酬):

信託報酬の総額は、①により計算した額に②により計算した額を加えた額とします。

①日々のファンドの純資産総額に信託報酬率を乗じて得た額。
   信託報酬率の配分は下記の通りとします。

年0.308%(税抜年0.28%)以内
(2026年6月24日現在
年0.308%(税抜年0.28%))

②株式の貸付を行なった場合は、日々、その品貸料の44%(税抜40%)以内の額。
   その配分については委託会社80%、受託会社20%とします。

引用(その他の費用・手数料):

◆対象株価指数に係る商標使用料(2026年6月24日現在)
   ファンドの純資産総額に対し、年0.055%(税抜年0.05%)を乗じて得た額とします。
◆ファンドの上場に係る費用(2026年6月24日現在)
   ・追加上場料:追加上場時の増加額(毎年末の純資産総額について、新規上場時および新規上場
      した年から前年までの各年末の純資産総額のうち最大のものからの増加額)に対して、
      0.00825%(税抜0.0075%)。

   ・年間上場料:毎年末の純資産総額に対して、最大0.00825%(税抜0.0075%)。

上記の費用および消費税等に相当する金額は、投資者の負担とし、ファンドから支払うことができ
ます。なお、ファンドから支払わない金額については、委託会社の負担となります。

また、その他の費用・手数料として、以下の費用等がファンドから支払われます。これらの費用等
は、運用状況等により変動するものであり、事前に料率、上限額等を表示することができません。
・組入有価証券等の売買の際に発生する売買委託手数料
・外貨建資産の保管等に要する費用
・監査法人等に支払うファンドの監査に係る費用
・ファンドに関する租税              等

### 2) 収益分配の方針

PDF 4ページ目(紙面表記2ページ)

引用:

毎年1月、4月、7月および10月の7日に分配を行ないます。
分配金額は、信託財産から生ずる配当等収益から経費を控除後、全額分配することを原則と
します。ただし、分配金がゼロとなる場合もあります。また、売買益が生じても、分配は行
ないません。

要約:年4回(1月、4月、7月、10月の各7日)で、分配金がゼロとなる場合があります。

### 3) 元本が保証されているか

PDF 5ページ目(紙面表記3ページ)

引用:

ファンドの基準価額は、投資を行なっている有価証券等の値動きによる影響を受け
ますが、これらの運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。したがって、
ファンドにおいて、投資者の皆様の投資元金は保証されているものではなく、基準
価額の下落により、損失を被り、投資元金が割り込むことがあります。なお、投資
信託は預貯金と異なります。

要約:投資元金は保証されていません。

読取方法:PDFをページ単位で`pdftotext -layout`により抽出し、`pdftohtml -xml`の座標付き文字データで表の列関係、改行およびページ番号を照合しました。

合っていた点

AIが引用した39行は、すべて指定したページの原文にありました。数字も、原文と同じです。

  • 運用管理費用(信託報酬)は「年0.308%(税抜年0.28%)以内」と引用しており、原文と同じでした
  • その他の費用として、商標使用料「年0.055%(税抜年0.05%)」、追加上場料・年間上場料の「0.00825%(税抜0.0075%)」を引用しており、原文と同じでした
  • 分配方針は「毎年1月、4月、7月および10月の7日に分配を行ないます。」から「売買益が生じても、分配は行ないません。」までを引用しており、原文と同じでした
  • 元本については「投資者の皆様の投資元金は保証されているものではなく」を含む5行を引用しており、原文と同じでした

この記事で取り上げた信託報酬率、商標使用料、上場に係る費用の率は、原文でそれぞれ「2026年6月24日現在」の値です。

抜けていた点

1つ目は、費用のページの表です。 AIは「信託報酬率の配分は下記の通りとします。」という文を引用したあと、すぐ「年0.308%(税抜年0.28%)以内」に進んでいます。原文では、この文の下に「支払先の配分(税抜)および役務の内容」という表があります。

委託会社 ファンドの運用とそれに伴う調査、受託会社への指図、法定書面等の作成、基準価額の算出等 年0.23% 受託会社 ファンドの財産の保管・管理、委託会社からの指図の実行等 年0.05% *上記配分は、2026年6月24日現在の信託報酬率における配分です。

AIの引用だけを読むと、「下記の通り」の「下記」が何を指すのか分かりません。このページでは、配分の表は縦書きの見出しがついた枠の中にあります。AIは費用のページを文字の位置まで取り出して読んでいましたが、それでも表は引用に入っていません。

同じページでは、「ファンドの信託報酬は、日々計上され、ファンドの基準価額に反映されます。」から始まる2行も引用に入っていませんでした。

2つ目は、分配方針のページの注記です。 分配方針の下に、次の1行があります。

*将来の分配金の支払いおよびその金額について示唆、保証するものではありません。

AIは分配方針の本文4行を引用しましたが、この注記は入れていません。3つ目の質問(元本が保証されているか)に近い内容ですが、元本ではなく分配金についての記載です。この注記を入れなかった理由は、AIの答えには書かれていません。

抜けとして数えていないものもあります。分配方針のページにある、1月から12月のうち分配の月を示した図は、引用した本文と同じ内容なので数えていません。費用のページの欄の名前(「運用管理費用(信託報酬)」など)は、AIが自分で付けた見出しで補われているので数えていません。

AIの引用に書かれていることは正しかった一方、書かれていないことがありました。 引用が正しいかどうかと、必要な記載をすべて拾っているかどうかは、別々の問題でした。

AIの引用は、どうやって原文と照合しますか

照合は3段階で行いました。

  1. ページを開く:AIが示したページ番号でPDFを開き、その見出しがあるかを見ます。PDFの何ページ目かと紙面のページ番号は違うことがあるので、どちらで書かれているかを先に確かめます
  2. 1行ずつ当てる:AIの引用を1行ずつ、原文の中に同じ文字の並びがあるかで探します。PDFを文字に直すと改行と空白が変わるので、そこだけは無視して比べました
  3. 前後を全部読む:引用された文の前後を、節の終わりまで自分で読みます。表・枠・注記(「*」で始まる行)は特に見ます。今回の抜けは、すべてこの段階で見つかりました

2段階目までは、AIの引用に書かれていることの確かめです。3段階目は、書かれていないことの確かめで、ここはAIの答えからは分かりません。

AIに目論見書の引用ではなく数字(1489の分配金利回り)を答えさせた例もあります。分子・分母・基準日を運用会社の商品ページと照合した結果は、ChatGPTでNISA戦略を立てる!AI投資プロンプト10選と実践ガイドの「AIが答えた数字は、出典でどう確かめるか」に載せています。

運用会社の組入ファイル(設定ポートフォリオ)をAIに読ませ、2本のETFで共通する銘柄を数えさせた例は、1489と1577の銘柄はどれだけ重なるか|設定ポートフォリオをAIに数えさせたにあります。

ほかのETFの交付目論見書でも、同じ頼み方で試せますか

ファイル名と銘柄名を差し替えれば、同じ文面で試すことはできます。ただし、確かめたのは1489の交付目論見書1本だけです。見出しの名前や表の組み方が1489と違う目論見書では、同じように拾えるとは限りません。

1489で抜けたのは、枠で囲まれた表と、「*」で始まる注記と、信託報酬の欄の最後の2行でした。照合の3段階目(前後を全部読む)を省くと、今回のような表や注記の抜けを見落とすおそれがあります。

この記事で言えないこと

  • ChatGPTの画面では試していません。今回のAIはCodex CLIに入っているPDFの扱い方の手順書を読んでから作業しており、ChatGPTの画面で同じ手順になるかは確かめていないためです。
  • 聞いたのは1回だけです。聞き直したときの揺れは、回数を重ねていないため分かりません。
  • 請求目論見書(130ページ)は、交付目論見書に範囲を絞ったため読ませていません。
  • 1489以外の交付目論見書は試していないので、同じ結果になるかは分かりません。

数値の基準日

試した日時
2026年9月24日18時02分
使ったAI
gpt-5.6-sol
目論見書
使用開始日2026年6月25日
信託報酬率・商標使用料・上場費用
2026年6月24日現在
Web検索
使わないよう文面で指示

データの出典

この記事の目論見書の記載は、すべて次の交付目論見書(2026年9月24日に取得)によります。AIの答えは、2026年9月24日18時02分の出力です。

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
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