ETFの分配金が前回より減ったら、どこを見るか|435Aの決算短信で配当等収益と口数を読む

本ページはプロモーション(広告)を含みます。

itcareer40.jp持ち続ける判断分配金の読み方

ETFの分配金が前回より減ると、運用に何か悪いことが起きたのではないかと不安になることがあります。しかし、435Aの約款では、分配金のもとは、配当等収益と前期から繰り越した分配準備積立金から、諸経費・信託報酬等を引いた額です。株を売った利益(評価益を含む)などは、損失などを差し引いたうえで、次の期へ繰り越されます。2026年4月の分配金は52円、7月は32円に減り、10月は58円でした。

435Aを例に、次の順番で数字を確認します。

  1. 単位と計算期間をそろえる:何口当たりの分配金か、何日から何日までの収益かを確かめます。
  2. 435Aの決算短信の「分配金の計算過程」を見る:配当等収益、経費、分配対象額を確認します。
  3. 口数の増え方を見る:分配金の総額と、分配を受ける口数を比べます。

手順1:単位と計算期間をそろえる

最初に確認するのは、分配金の表示単位です。435A(iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略)の売買単位は1口です。大和アセットマネジメントのお知らせにも『1口につき』と記載されています。一方、決算短信には『1口当たり分配金』と、計算過程の『100口当たり』という表示が並んでいます。

  • 435Aの4月の分配金:1口当たり52円です。決算短信の計算過程では、100口当たり5,200円と表示されています。
  • 1591と1577:野村アセットマネジメントの2026年10月7日のお知らせでは、それぞれ『1口につき』369円、732円です。
  • 1489と586A:同じお知らせでも、こちらは『100口につき』4,900円、430円となっています。

受益権の分割があった銘柄では、分割の前後で単位をそろえる必要があります。1321は、2026年10月6日を基準日、10月7日を効力発生日として1口を100口へ分割し、売買単位も10月5日付で1口から10口へ変わりました。分割の前後の分配金を比べる際は、分割比率に合わせて、分割前の1口と分割後の100口をそろえて比較します。

次に確認するのが計算期間です。435Aの決算日は年4回、1月・4月・7月・10月の各7日です。最初の計算期間は2025年10月3日から2026年1月7日までで、その後は前の決算日の翌日から次の決算日までとなります。なお、野村の2026年10月7日のお知らせには、4月8日、6月8日、7月8日から始まる異なる計算期間が並んでいます。

分配金を比較する際は、何口当たりの金額かをそろえ、計算期間の長さと時期を確認することが出発点です。

参照:大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略」商品ページ(2026年10月8日取得)、大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略(435A)2026年7月期決算短信」(2026年8月20日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF の収益分配のお知らせ」(2026年10月7日)、野村アセットマネジメント「ETFの収益分配のお知らせ」(2026年10月7日)、野村アセットマネジメント「NF・日経225 ETF(1321)のETF受益権分割について」(2026年10月6日)

手順2:決算短信の「分配金の計算過程」で、配当等収益と経費を見る

435Aの約款では、原則として、計算期間ごとの配当等収益等から諸経費・信託報酬等を控除した額の全額を分配します。配当等収益とは、配当金や利子、貸付有価証券の品貸料などから支払利息を控除した額です。一方、株を売った利益(評価益を含む)などは、損失を控除し、繰越欠損金があればその全額を補てんしたうえで、次の期に繰り越されます。分配額がゼロとなる場合もあります。

具体的な金額は、商品ページに掲載されている決算短信で確認できます。2026年8月20日の決算短信には『分配金の計算過程』があります。各計算期間の当期配当等収益額、経費、分配対象額、分配金額が記載されています。

計算期間 当期配当等収益額 経費 分配対象額(100口当たり) 1口当たり分配金 決算時の口数
2025年10月3日~2026年1月7日 159,151,044円 6,311,656円 2,735円 27円 5,587,500口
2026年1月8日~4月7日 744,013,362円 26,008,686円 5,215円 52円 13,805,400口
2026年4月8日~7月7日 522,453,870円 34,330,970円 3,200円 32円 15,319,300口

※決算時の口数は、分配金額を1口当たり分配金で割った値です。

4月から7月にかけて、当期配当等収益額は744,013,362円から522,453,870円へ減少しました。経費は26,008,686円から34,330,970円へ増えています。分配対象額も100口当たり5,215円から3,200円へ減少しています。

なお、分配対象額の全額が分配されたわけではありません。4月の分配対象額719,981,564円から分配金額717,880,800円を引くと、2,100,764円が残ります。この金額は、7月の計算過程に分配準備積立金として記載されています。約款では、収益分配金額の調整のために残した額は分配準備積立金として積み立て、次期以降の分配に充てることができるとしています。

435Aでは、1口当たりの金額だけでなく、当期配当等収益額、経費、分配対象額の変化を決算短信で確認できます。

参照:大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略(435A)2026年7月期決算短信」(2026年8月20日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略」商品ページ(2026年10月8日取得)、大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略」投資信託説明書(請求目論見書)(使用開始日 2026年10月1日)

手順3:口数の増え方を見る

1口当たりの分配金は、分配金額の総額を決算時の口数で割った金額です。したがって、配当等収益の金額だけでなく、口数も確認する必要があります。435Aの決算短信にある分配金額を、1口当たり分配金で割ると、次の口数になります。

  • 2026年1月7日:5,587,500口
  • 2026年4月7日:13,805,400口
  • 2026年7月7日:15,319,300口

決算短信の発行済口数は、2026年1月期末が5,587千口、7月期末が15,319千口で、計算した口数と整合します。また、2026年7月期(1月8日~7月7日)の設定口数は10,953千口、交換口数は1,222千口でした。

4月から7月の変化を並べると、当期配当等収益額は29.8%減少し、決算時の口数は11.0%増加しています。この間、1口当たり分配金は52円から32円へ38.5%減少しました。10月の分配金は58円ですが、その計算期間は2026年7月8日から10月7日までとなります。

口数が4月から7月で11.0%増えていたのは、計算してみるまで気づきませんでした。1口当たりの額だけを見ていると、総額が減ったのか口数が増えたのかを区別できないのだと感じています。

435Aの4月から7月では、当期配当等収益額の減少と、決算時の口数の増加が、同時に確かめられます。

参照:大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略(435A)2026年7月期決算短信」(2026年8月20日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF の収益分配のお知らせ」(2026年10月7日)

つまずきやすいところ

分配金の計算過程を読むときに、取り違えやすい点を挙げます。

  • 発行済口数と決算時の口数を混同しない:決算短信の発行済口数は特定期間末の値です。4月7日の口数は記載されていませんが、分配金額を1口当たり分配金で割ると求められます。
  • 「1口当たり」と「100口当たり」を混ぜない:435Aの4月の52円と、決算短信にある5,200円は、異なる口数を基準にした表示です。
  • 分配準備積立金を見落とさない:4月に分配しなかった2,100,764円は、7月の計算過程に繰り越されています。当期配当等収益額とは別に記載される金額です。
  • 違う計算期間の数字を混ぜない:2026年8月20日の決算短信に、10月の58円の計算過程は載っていません。10月の計算期間は7月8日から10月7日までです。

435Aの分配金の増減は、表示単位と計算期間をそろえたうえで、決算短信の配当等収益、経費、分配準備積立金、口数を分けて読むことで、数字の変化を追えます。

参照:大和アセットマネジメント「iFreeETF 日本株配当ローテーション戦略(435A)2026年7月期決算短信」(2026年8月20日)、大和アセットマネジメント「iFreeETF の収益分配のお知らせ」(2026年10月7日)

この記事で言えないこと

  • 10月の58円の分配金の計算過程は書いていません。2026年7月8日~10月7日の計算期間は、2026年8月20日の決算短信の対象期間の後のためです。
  • 435Aの当期配当等収益額が4月から7月で減った理由(どの銘柄の配当がいくら減ったか)は書いていません。決算短信と商品ページに、銘柄ごとの受取配当が載っていないためです。
  • ほかのETFの決算短信が同じ書き方かは書いていません。この記事で読んだ決算短信が、435Aの1本だけのためです。

数値の基準日

分配金の計算過程・口数(435A 決算短信 2026年7月期)
2026年8月20日
分配実績・決算日(435A 商品ページを取得した日)
2026年10月8日
分配方針・約款(435A 請求目論見書)
使用開始日 2026年10月1日
10月の435Aの分配金(大和のお知らせ)
2026年10月7日
表示単位と計算期間の例(野村のお知らせ)
2026年10月7日
1321 の分割(野村のお知らせ)
2026年10月6日

次に読む

受益権の分割があったときに、資料によって分配金の数字がどうずれて見えるかは、受益権分割で分配金が10倍ずれて見える理由|資料ごとの数字の読み方にまとめています。435Aと、指数に連動する1489の違いは、435Aと1489の違い|高配当株を、原則毎月見直すアクティブ運用で持つか、指数で持つかで並べています。

出典

Sho
Sho

業務系SEとして長年

計画・リスク管理・数値設計を軸に、
ETFの情報整理から投資判断までをテンプレ化・自動化してきた。

新NISAの時代だからこそ、
感情よりも「仕組み」で迷わない投資を。

—— 焦らず、ブレず、仕組みで勝つ。

Shoをフォローする
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。投資判断はご自身の責任で行ってください。
よくある迷いQ&A持ち続ける判断