itcareer40.jpETFの基礎1489・2858
「基準価額(分配金再投資)」は、分配金を再投資したとみなして計算した値で、持っている人の分配金が再投資されたことを表す値ではありません。
1489の商品ページには、同じ日の基準価額(日々計算される、1口あたりの資産の価値)が2つ並んでいます。2026年11月2日の100口あたりの値は、基準価額が351,611円、基準価額(分配金再投資)が515,464円です。
大きいほうの値は、分配金(運用で得た収益を、口数に応じて決算ごとに分けるお金)を再投資したとみなして計算した値で、持っている人が実際に再投資した結果ではありません。
ETF(証券取引所に上場する投資信託)の分配金は、分配がある場合、決算のたびに持っている人に支払われます。資料の「再投資」には、ほかに投資信託の分配金のコースと、2858の名前の「プレミアム再投資型」があります。
同じ日の同じETFに基準価額が2つ並んでいるのは、初めて見ると戸惑うところだと感じました。
資料に出てくる3つの「再投資」は、次のとおりです。
| 言葉 | 何のことか | 持っている人の分配金との関係 |
|---|---|---|
| 基準価額(分配金再投資) | 分配金を再投資したとみなして計算した値 | 計算の上の値で、実際に再投資された値ではない |
| 投資信託の分配金の再投資 | 分配金を受け取らず、同じ投資信託に投資すること | 販売会社との契約やコースによる |
| 2858の「プレミアム再投資型」 | 指数の計算の形の名前 | 分配金の再投資の話ではない |
1489の基準価額(100口あたり・商品ページ)
351,611円
2026年11月2日
1489の基準価額(分配金再投資)(100口あたり・商品ページ)
515,464円
2026年11月2日
基準価額(分配金再投資)の意味
分配金は、ETFの資産から支払われます。資産運用業協会の用語集は、その結果を分配落ち(分配金を支払った結果、その分基準価額が下がること)と呼んでいます。
三菱UFJアセットマネジメントのよくあるご質問の説明も、分配金を支払うとその分基準価額は下落する、というものです。
仮に、基準価額が1口あたり10,000円のETFが、1口あたり100円の分配金を出したとします。分配の前は、基準価額(分配金再投資)も10,000円とします。
分配のあと、基準価額は9,900円になり、100円は持っている人に支払われます。基準価額(分配金再投資)は、その分配金を同じETFに再投資したとみなすので、この例では分配の直後も10,000円分のままです。
下の図1は、分配後のお金の支払いと、再投資したとみなす計算を示しています。分配による変化だけを取り出した仮の数字で、費用などは入れていません。
運用会社の資料は、この値を次のように注記しています。
- 1489の月次レポート:「信託報酬控除後の価額を用い、分配金を非課税で再投資したものとして計算しております」
- 1489の交付目論見書:「税引前の分配金を再投資したものとみなして計算しており、実際の基準価額と異なる場合があります」
- 三菱UFJアセットマネジメントのよくあるご質問:「分配金(税引前)を分配時に再投資したものとみなして計算したもの」
1489の月次レポートは、次のことも書いています。
- 「課税条件によって受益者ごとに騰落率は異なります」
- 「換金時の費用・税金等は考慮しておりません」
下の図2は、3つの資料の注記の言い方を並べたものです。
基準価額(分配金再投資)は、分配金を再投資したとみなして計算した値で、実際の基準価額と異なる場合があります。
参照:野村アセットマネジメントの1489の月次レポート・1489の交付目論見書・野村日本新鋭成長株ファンドの資料、三菱UFJアセットマネジメントのよくあるご質問
1489の2つの基準価額
NEXT FUNDSの商品ページにある1489の値は、どちらも100口あたりです。2026年11月2日の値は、次のとおりです。
- 基準価額は351,611円です。
- 基準価額(分配金再投資)は515,464円です。
下の図3は、同じ日の値を、同じ100口あたりの単位で並べています。
1489は2017年2月10日に設定され、2017年2月13日に上場しました。分配金の基準日は、毎年1・4・7・10月の各7日で、年4回です。
2024年1月19日には、1口を30口に分割しています。商品ページでは、分割日をまたぐ値を「分割の影響を受けないよう調整」しています。
商品ページの乖離率は、指数(特定の市場の動きを表す指標)とのずれを見る値です。「基準価額(分配金再投資)の変化率」から「対象指標(配当込み)の変化率」を引いた差です。
配当込みの指数と比べる際には、分配金を再投資したとみなした値を使っています。持っている人が実際に再投資した結果との比較ではありません。
1489の商品ページの2つの値は、どちらも100口あたりで、大きいほうが分配金を再投資したとみなした計算の値です。
参照:NEXT FUNDSの1489の商品ページ、野村アセットマネジメントの1489の月次レポート、JPXの1489の銘柄詳細資料
1489の2つの値の差は、分配落ちと再投資の計算の違いから
ここからは、確かめた資料の記載を並べて言える範囲をまとめたもので、1489の評価や値動きの見通しを示すものではありません。
もとにした事実は、次の4つです。
- 分配金を支払った結果、その分基準価額が下がります(分配落ち)。
- 基準価額(分配金再投資)は、分配金を再投資したとみなして計算した値です。
- 1489は2017年2月10日に設定され、分配金の基準日は年4回です。
- 2026年11月2日の1489の値は、基準価額が351,611円、基準価額(分配金再投資)が515,464円です。
1489の基準価額は、分配があると、分配による影響としてその分配金の分だけ下がります。基準価額(分配金再投資)は、その分配金を再投資したとみなして計算を続けます。2つの値の差は、この計算の違いから生まれ、2026年11月2日には351,611円と515,464円でした。
資料から言えるのは、2つの値の差が分配落ちと再投資の計算の違いから生まれるというところまでで、差の内訳や、持っている人ごとの結果は言えません。
参照:NEXT FUNDSの1489の商品ページ、野村アセットマネジメントの1489の月次レポート・1489の交付目論見書
ETFの分配金は、決算ごとに持っている人へ
Global X Japanのよくあるご質問では、ETFは「収益分配が可能な場合」に「決算の都度投資家に支払います」という扱いです。
2858の交付目論見書の記載も、「収益分配金は、名義登録受益者に対して支払われます」です。「名義登録受益者」は、計算期間の終わりの日に、名前や住所などが受託会社(ETFの財産の保管・管理を行う会社)に登録されている持ち主のことです。
同じよくあるご質問は、「一般的にETFの分配金は」として、分配金のもとと支払いを次のように説明しています。
- 計算期間中に、配当や利息などの収益を受け取ります。
- その収益から、信託報酬などの費用を引きます。
- 費用を引いた金額の「全額」を、持っている人に分配します。
同じよくあるご質問は、再投資の効果を得る「一例として」、受け取った分配金で自分で買い付けることを挙げています。自動で再投資するサービスについては、「証券会社によって異なります」という回答です。
下の図4は、ETFの分配金が支払われる流れと、受け取ったあとの再投資の例を示しています。
決算日は、計算期間の最後の日で、損益などが確定する日です。2本の決算日は、次のとおりです。
- 1489は、1・4・7・10月の各7日です。
- 2858は、4月24日と10月24日です。
ETFの分配金は、分配がある場合、決算ごとに持っている人に支払われ、再投資の効果を得る一例は、受け取った分配金で自分で買い付けることです。
参照:Global X Japanのよくあるご質問・2858の交付目論見書
投資信託の分配金の再投資コース
投資信託の分配金再投資は、分配金を現金で受け取らず、再び同じ投資信託に投資することです。資産運用業協会の用語集では、この意味で説明されています。
野村アセットマネジメントの野村日本新鋭成長株ファンドの資料には、購入コースの説明があります。
- 一般コースでは、分配金を受け取ります。
- 自動けいぞく投資コースでは、分配金が再投資されます。
- 取扱いは「販売会社によって異なる場合があります」。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書にも、再投資の条件があります。
- 「販売会社との契約によっては、収益分配金の再投資が可能です」
- 分配は、原則として「分配を抑制する方針」です。
再投資ができるかどうかは販売会社との契約の話で、分配をするかどうかは分配の方針の話です。2つは別のことです。
下の図5は、投資信託の分配金を受け取るコースと再投資するコースを示しています。ETFでは決算ごとに持っている人へ支払われる点も並べています。
投資信託には、分配金を現金で受け取らず同じ投資信託に投資するコースがあり、取扱いは販売会社によって異なる場合があります。
参照:三菱UFJアセットマネジメントのeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書、野村アセットマネジメントの野村日本新鋭成長株ファンドの資料
2858の「プレミアム再投資型」
2858の正式な名前は、グローバルX 日経225 カバード・コール ETF(プレミアム再投資型)です。英文名の括弧内は「option premium reinvestment type」です。
2858の指数は、日経平均株価を対象に、コール・オプション(一定の期間に、決まった値段で買う権利)を売る形で計算します。「カバードコール戦略」を行った場合の収益を表す「配当込みの指数」です。
JPXの銘柄詳細資料では、プレミアム(オプションを売って受け取る代金)分は「理論上再投資した形」です。
名前にある再投資は、この指数の計算の形を表します。持っている人に支払われる分配金を再投資するという意味ではありません。
2858の分配と決算日は、次のとおりです。
- 配当・受取利息などの収益から費用を引いた額の「全額」を分配します。
- 決算日は毎年4月24日と10月24日で、年2回です。
交付目論見書は、カバードコール戦略の損益は「毎営業日に時価評価され」、基準価額に反映されると書いています。営業日ごとに、その時点の価値で計算し直されるということです。
下の図6は、指数でプレミアムを再投資したとみなす計算と、2858の分配を示しています。
2858の「プレミアム再投資型」は指数の計算の形のことです。2858の決算日は年2回で、分配の方針は収益から費用を引いた額の全額です。
参照:JPXの2858の銘柄詳細資料、Global X Japanの2858の交付目論見書・2858の商品ページ
まとめ:資料の3つの「再投資」
資料に出てくる「再投資」は、次の3つに分けて読めます。
- 基準価額(分配金再投資):分配金を再投資したとみなして計算した値で、実際の基準価額と異なる場合があります。
- 投資信託の再投資とETFの分配金:投資信託は販売会社との契約やコースによります。ETFは、分配がある場合、決算ごとに支払われます。
- 2858の「プレミアム再投資型」:指数がオプションのプレミアムを理論上再投資した形で、分配金の話ではありません。
この記事で言えないこと
- 税金の扱いは書いていません。記事の範囲を、資料の値の意味と分配金の行き先に絞ったためです。
- 分配金を自動で再投資するサービスの有無は書いていません。運用会社のよくある質問が、証券会社によって異なるとしているためです。
- 1489の2つの値の差の内訳は書いていません。この記事では、差の内訳を計算も検証もしていないためです。
数値の基準日
- 1489の商品ページ(2つの基準価額)
- 2026年11月2日
- 1489の月次レポート(基準価額(分配金再投資)の注記)
- 2026年9月30日
- JPXの1489・2858の銘柄詳細資料
- 2026年2月27日
- 2858の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年7月18日
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の交付目論見書(使用開始日)
- 2026年7月25日
- 野村日本新鋭成長株ファンドの資料
- 2026年7月24日
- 用語集・よくあるご質問・1489の交付目論見書・2858の商品ページを取得した日(この記事を書いた日)
- 2026年11月3日
次に読む
- 分配金が出ると基準価額が下がるのかを、資料で確かめた記事:6つの思い込みを資料で確かめる
- ETFの市場価格と基準価額の違いを読む記事:ETFの「市場価格」と「基準価額」は何が違う?
- 1489と、同じ指数への連動を目指す投資信託を比べた記事:高配当の投資信託とETFはどっち?
- カバード・コールのETF2本を比べた記事:2865と2868の違い
出典
- 資産運用業協会 用語集「分配金再投資」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「分配落ち」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「基準価額」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「ETF」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「分配金」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「決算日」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「オプション取引」(2026年11月3日取得)
- 資産運用業協会 用語集「インデックス」(2026年11月3日取得)
- 野村アセットマネジメント「1489」月次レポート(2026年9月30日)
- 野村アセットマネジメント「1489」交付目論見書(2026年11月3日取得)
- NEXT FUNDS「1489」商品ページ(基準日 2026年11月2日)
- JPX「1489」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- 三菱UFJアセットマネジメント よくあるご質問(基準価額(分配金再投資)と基準価額)(2026年11月3日取得)
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」交付目論見書(使用開始日 2026年7月25日)
- 野村アセットマネジメント「野村日本新鋭成長株ファンド」ご参考資料(2026年7月24日)
- Global X Japan「グローバルX 高配当 ETF 分配カレンダー」よくあるご質問(2026年11月3日取得)
- JPX「2858」銘柄詳細資料(2026年2月27日現在)
- Global X Japan「2858」交付目論見書(使用開始日 2026年7月18日)
- Global X Japan「2858」商品ページ(2026年11月3日取得)

